金色のち純白
四月の末は 少し遅い別れの季節
タンポポ達の 旅立ちの季節
すっかり準備も整えて あとは風のバスを待つばかり
子供達は 外への心地よい不安で輝いている
私の元を離れたくて うずうずしている
それでいい 期待と恐怖に満ちた綿毛は
あなた達を きっとどこまでも運ぶでしょう
あなた達の顔は 全部覚えているわ
他の何にも代え難い 大切な我が子達だから
あなた達が 私の顔を忘れたとしても
今になって初めて あの時の母の気持ちが解った気がする
大切に抱いていた子供達が 遠くへ旅立つことの恐怖
でも 今のあなた達が知る必要はないわ
きっと いつか解る日が来るから
アスファルトの端 運動場の隅
あなた達は 遠い世界へ旅立つ
私はここで朽ちて 新たな生命の礎となるでしょう
さあ 行きなさい あなた達の望む場所へ
世界は あなた達が思う以上に広い
私が見れなかった世界を あなた達が見なさい
どうか あなた達が根付ける場所がありますように
何もかも無くなると やはり寂しいものね
もし 私にも綿毛があれば きっと――